今月の臨床 ライフスタイルの変化と女性の健康
ライフスタイルの変化と生活習慣病
2.糖尿病
杉山 隆
1
,
豊田 長康
1
1三重大学医学部産科婦人科学教室
pp.1144-1148
発行日 2001年10月10日
Published Date 2001/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904455
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はじめに
糖尿病患者数はわが国のみならず世界的に増加の一途をたどっているが,その中でも患者数の多い2型糖尿病は遺伝的素因が基本にあり,後天的な要因である運動不足,高脂肪食による肥満やストレス,加齢などが加わることにより,インスリン作用障害が生じ,糖尿病を発症するものと考えられている.近年,わが国では食生活を中心にライフスタイルの欧米化が生じており,今後ますます糖代謝異常患者数は増加するものと思われる.さらにライフスタイルの変化は高血圧や心臓病の原因ともなり,もはや糖尿病だけの問題ではなく重大な公衆衛生上の問題である.
また近年妊娠女性の高齢化現象もみられており,ライフスタイルの変化に伴うこのような社会環境の中,今後われわれ産科医は必然的に妊娠時に糖代謝異常女性に遭遇する機会は増えていくものと考えられる.本稿では,ライフスタイルの変化と糖代謝異常に関する問題点について概説したい.
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