今月の臨床 子宮外妊娠—新しい視点から
保存療法の予後
2.絨毛存続症
生田 克夫
1
1名古屋市立大学看護学部
pp.1044-1046
発行日 2001年9月10日
Published Date 2001/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904432
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はじめに
子宮外妊娠は超音波検査機器の発達と尿中hCG検出試薬の精度向上にともない妊娠早期で診断が可能となり,治療方法の選択肢が広がった.そして患部卵管に対する保存的治療が行われることも珍しくなくなり,絨毛存続症persistentectopic pregnancyという病態が注目されるようになった.この用語に関してSeiferら1)は,1993年に「初回の卵管切開術後に追加治療を要するような絨毛組織の持続する発育がみられる状態」と定義している.この用語は腹腔鏡下でのMTXの局所注入治療のような薬物治療後の絨毛存続にも用いられることがあるが,本文ではSeiferらの定義に基づく絨毛存続症について述べる.
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