クローズアップ
上田市産院(長野県)―閉院宣言から一転,存続が決定しました
小滝 良子
1
,
塚田 典子
2
1いいお産を求める母の会
2上田市産院
pp.518-525
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100126
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かけがえのない助産ケアの存続を求めて
いいお産を求める母の会
小滝 良子
突然の廃止報道
2005年10月29日,上田市産院廃止か?という報道は,私たち母親にとってまったく突然のことでした。深刻な産科医不足を背景に,これまで産院に医師を派遣してきた信州大学が派遣を打ち切るというのです。市の病院の人事権が大学にあり,こんなに突然の宣言をするような力を持っていることは,恥ずかしながら一切知らずに生活していました。大きなショックを受けました。
上田地域の2市4町2村で産科があるのは上田市のみで,2,100人の新生児のうち4分の1が産院で生まれています。全国で40か所,県で唯一の「赤ちゃんにやさしい病院(BFH)」であり,ここ数年はますます利用者が増えていて,黒字です。廃止の理由が見当たらない不可解さの後で,今出産を控えているわけでもないのに,閉院になることに言いようのない不安を感じました。
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