今月の臨床 腹腔鏡下手術—知っておくべき最新情報
手技の工夫,注意点
3.婦人科悪性腫瘍における後腹膜リンパ節郭清
安藤 正明
1
,
伊熊 健一郎
2
,
吉岡 保
1
1倉敷成人病センター産婦人科
2宝塚市立病院産婦人科
pp.266-269
発行日 2001年3月10日
Published Date 2001/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904278
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後腹膜リンパ節郭清術は悪性腫瘍に対する治療法の個別化には重要な手技である.しかし,従来の開腹による方法では,手術侵襲が大きく,腸管合併症も多く,またコスメティックな面からも課題が残されていた.そこでわれわれは最も低侵襲である後腹膜アプローチ法を開発し,後腹膜腔鏡による傍大動脈および骨盤リンパ節郭清を施行している.本法では,出血が少なく,術後の回復は極めて早く,さらに腸管麻痺による腸閉塞などの合併症も少ない.郭清の完全性については,大動脈の血管テープによるmobilization,多視点からの観察などの手法を導入することで十分な郭清ができるものと考えている.
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