症例
子宮筋層内転移を認めたplacental site trophoblastic tumor(PSTT)の1例
中元 剛
1
,
斉藤 淳子
1
,
八百井 雅美
1
,
西田 ヒロ子
1
,
松原 高史
1
,
松尾 泉
1
,
大崎 尚
1
,
北田 光美
1
,
神崎 秀陽
1
1関西医科大学産科学婦人科学教室
pp.1251-1254
発行日 2000年10月10日
Published Date 2000/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904172
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われわれは,子宮底部にplacental site tropho—biastic tumor(PSTT)を認め,子宮体部筋層内に別な転移病巣が発見された1例を経験したので報告する.症例は52歳で,5回経妊2回経産.不正性器出血,下腹部痛を主訴に当院を受診し,子宮筋腫の診断のもと,腹式単純子宮全摘術・両側付属器切除術を施行した.子宮底部内膜側に大豆大の腫瘤を認め,またそこから離れた正常体部筋層内に出血巣が認められた.組織学的には腫瘤には多・巨核の異形細胞が巣状に密に分布しており,子宮筋層内側の平滑筋間にも小円形細胞の浸潤が認められた.血清学的所見および,免疫組織学的所見よりPSTTと診断した.また体部筋層内の出血巣にも同様の組織学的所見が認められ,子宮内転移と考えられた.
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