今月の臨床 ハイリスク分娩の管理指針
胎盤・臍帯・羊水異常例の分娩管理
2.臍帯循環ハイリスク例の分娩管理
宇津 正二
1
1聖隷三方原病院産科
pp.678-682
発行日 2000年5月10日
Published Date 2000/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904034
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妊娠中毒症や予定日超過などによる胎盤機能不全が原因と考えられるような胎児仮死例は,近年の産科医療レベルの向上により激減した.しかし母体合併症や胎児の形態異常もないのに発育が遅れている例や,正常妊娠経過でノーリスクと判定していた症例でも,分娩時に突然,一過性徐脈が頻発したり,遷延性徐脈が持続して胎児仮死の心配をさせられる症例は少なくない.
ほとんどの場合,娩出後に臍帯の頸部巻絡や胎盤への付着部異常(辺縁付着または卵膜付着),臍帯過捻転,さらには羊水過少などが存在したことを確認して納得するのであるが,陣痛時に臍帯が圧迫や屈曲,牽引などの物理的外力を受けて臍帯血管に狭窄部や絞扼部が生じた結果,胎児・臍帯・胎盤循環を障害すると考えられる.
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