今月の臨床 生殖内分泌と不妊診療の最新データ
更年期・老年期
1.更年期・閉経期の内分泌変化
南 佐和子
1
1和歌山県立医科大学産科婦人科
pp.444-448
発行日 2000年4月10日
Published Date 2000/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903994
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女性の内分泌機能は排卵,妊娠,産褥など大きな変化にさらされている.視床下部—下垂体—卵巣系がその内分泌変化の中心を構成していることは言うまでもない.卵巣は性成熟期に下垂体からの黄体化ホルモン(LH)や卵胞刺激ホルモン(FSH)の作用を受け綿密にコントロールされている.さらに卵巣から産生,分泌されるインヒビンやアクチビン,その他の成長因子やサイトカインなども卵巣機能を調節していることが明らかとなってきた.40歳をこえるとその厳密な調節機構に乱れが生じ,生殖という意味において卵巣機能はやがて廃絶する.この生殖期から生殖不能期への移行期が更年期perimenopauseと呼ばれ,女性における内分泌のダイナミックな変化の終着点であるといえる.本稿ではperimenopauseから閉経後post—menopauseにかけての卵巣における内分泌変化について概説してみたい.
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