今月の臨床 増えてきた子宮体癌
検査・診断
1.細胞診
野田 定
1
,
鳥居 貴代
1
,
布引 治
1
1(財)大阪がん予防検診センター検診第2部
pp.1146-1151
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903761
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1998年,厚生省がん検診の有効性評価に関する研究班は体がん検診の有効性について「十分に証明されているとはいえない」1)と報告した.このことをもって体部細胞診の必要性をすぐに否定する流れがある.しかし体部細胞診は検診を行うべき対象を正しく定めて行えば体がんのスクリーニング法として最も優れているという厚生省野田班の報告2)をはじめ,日本母性保護医産婦人科医会(日母と略)の全国都道府県45支部に対するアンケート調査報告から体がん一次検診としての細胞診の有用性を認める報告3)もみられる.したがって有効性に問題ありとすれば,それは体部細胞診ではなくむしろ有効性を評価する方法(疫学的研究や検診対象者の選定や研究デザインなど)にその原因が求められるべきである.この現状を踏まえ,本項では子宮体がん検診に重要な役割を果たす細胞診の精度向上に必要な留意点について記載する.
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