CURRENT RESEARCH
妊娠母体ならびに胎児・新生児の免疫特性からみた母子感染
斎藤 滋
1
1富山医科薬科大学医学部産科婦人科
pp.971-980
発行日 1999年7月10日
Published Date 1999/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903726
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大学6年生のときに,私の母校出身の森山郁子先生(現奈良県立医科大学附属看護短大教授)がNature誌に,エストロゲンとプロゲステロンを投与すると,絨毛癌細胞株のハムスターへの移植が成功することを発表されました.その頃,Kajii, Ohama(大濱紘三先生は現広島大学産婦人科教授)らは,胞状奇胎が雄性発生であることを発表されました.私は異物であり,しかも完全に父親由来の胞状奇胎がなぜ母体から拒絶されないのかを研究したくなり,奈良県立医科大学に赴任早々の一條元彦教授のところへそのことを研究したいので産婦人科に入局させて欲しいと生意気に申し出ました.一條教授は「それなら大学院へ入学して,君は免疫学を勉強しなさい」と答えて下さいました.以来,免疫学からみた母子感染,妊娠成立機構ならびにその破綻について,京都大学ウイルス研究所の日沼賴夫先生をはじめ,多くの先生方のご支援のもと,研究を進めてきた次第です.
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