今月の臨床 胎盤と臍帯の臨床
臍帯
2.臍帯付着部の異常
長谷川 潤一
1
,
岡井 崇
1
1昭和大学医学部産婦人科学教室
pp.1378-1381
発行日 2007年11月10日
Published Date 2007/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101604
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はじめに
臍帯の付着部異常には,卵膜付着,辺縁付着,前置血管が含まれる.これらの異常は,臍帯異常のなかでも胎児心拍モニタリング異常と最も密接に関連する異常で,ときに胎児死亡の原因になることもある.これらの異常はNRFSの分娩後に娩出された付属物をみることではじめて診断されることも稀ではない.しかしながら,超音波機器の発達により,ほかの胎児異常と同様に臍帯付着部異常においても分娩前の診断がしやすくなってきている.これらの異常を分娩前に診断してハイリスクとしてピックアップしておくことは,急な帝王切開を回避できるだけでなく,周産期予後の改善にもつながると考えられる.本稿では,臍帯付着部異常の超音波診断および妊娠・分娩管理について解説する.
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