連載 Estrogen Series・35
アジア系米国女性における豆腐摂取と乳癌の関係—大豆のエストロゲン作用
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.210-211
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903545
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米国に居住するアジア系米国人では白人に比較して乳癌発生率が低いが,他方,アジアに居住する人々の乳癌発生率よりもかなり高率である.同じアジア人種でありながら,その環境の変化が内分泌機能になんらかの変化をもたらし,それゆえにこのような差異がみられるのであろうか? 著者らはアジア系米国人にみられる食物摂取成分の相違,とくに豆腐に代表される大豆製品の摂取量の相違性に着目し,それにより乳癌発生率の相違を部分的にでも説明することが可能なのではないか,と考えた.
著者らはロスアンゼルス,サンフランシスコ,ハワイに居住する中国系,日系,フィリピン系の女性を対象にpopulation-based case-controlstudyを行った.すなわち,1983〜87年に原発性の乳癌を診断された597例のアジア系女性と,同時期に年齢,居住地域,などをマッチさせたコントロール966例とを比較検討した.
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