今月の臨床 早産対策—いま臨床医ができること
外来での対策—私はこうしている
6.入院管理の基準・1
安井 智代
1
,
安川 久吉
1
,
植田 充治
1
1聖バルナバ病院産婦人科
pp.704-705
発行日 1998年5月10日
Published Date 1998/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903277
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低出生体重児が出生する原因はほとんどの場合早産である.近年のめまぐるしい新生児医療の進歩により低出生体重児の予後は改善されたといえるが,成熟児に比較するといろいろな問題点は存在している.したがってわれわれ産科医にとっては,この早産の予知と予防は大きな課題の一つである.わが国の早産の頻度は約5%で,その75%が前期破水と切迫早産による.切迫早産のハイリスクとしては,既往症に早産,中期流産があったり,若年妊娠,高齢妊娠,羊水過多症,多胎妊娠,妊娠中毒症,子宮奇形,子宮筋腫合併妊娠,喫煙,就労および絨毛羊膜炎がある1).絨毛羊膜炎は細菌の上行性感染で起こるもので,頸管炎,絨毛膜炎,羊膜炎,子宮内感染へと順次進行していくものであるが,ほとんどの場合は無症状であり,血液検査上白血球増加,CRP上昇という結果もかなり進行してきた場合にのみ認められる.最近は局所の病変を早期に予知する検査として胎児性フィブロネクチン,顆粒球エラスターゼの検出法も確立されている.
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