今月の臨床 経腟超音波を使いこなす
婦人科腫瘍の鑑別診断
3.経腟超音波による子宮体癌スクリーニング
津田 浩史
1
,
川端 政實
1
,
山本 久美夫
1
,
日高 敦夫
1
1大阪市立総合医療センター婦人科
pp.556-561
発行日 1998年4月10日
Published Date 1998/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903249
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近年,子宮体癌は増加傾向にあり,全子宮癌に対し占める割合は約30%と報告されている.現在老人保健法では,最近6か月以内に不正子宮出血を訴えたことのある者で,①年齢50歳以上の者,②閉経以後の者,③未婚であって月経不順な症例を対象に内膜細胞診および内膜組織診を施行している.しかしこの検診方法には,表1に示したようなさまざまな問題点が考えられる.近年欧米を中心に経腟超音波断層法(US法)が子宮体癌検診に有用であることが報告されている1-7).その理論的背景は,閉経後婦人の子宮内膜は萎縮しており,子宮内膜病変を有していれば子宮内膜が肥厚しUS法でdetectできるというものである.
本稿では閉経後婦人の子宮体癌検診に対するUS法の有効性および問題点について自施設での成績を中心に述べてみたい.
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