今月の臨床 腫瘍マーカーは何を語るか
腫瘍マーカーの特性
3.悪性度に関連する腫瘍マーカー—糖鎖構造の変化の意義
古本 博孝
1
,
平尾 務
1
1徳島大学医学部産婦人科
pp.140-143
発行日 1998年2月10日
Published Date 1998/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903164
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実際の臨床に携わっていると,同じ原発臓器の同じ組織型の癌であっても症例によってその性格の違いに驚かされることが少なくない.浸潤のごく浅い時期から転移を認める症例もあれば,原発巣は巨大に腫大しているにもかかわらず転移もなく再発もしない症例も見受けられる.あるいは月単位で進行し短期間で死亡する症例もあれば,腹腔内に腫瘤を形成したまま数年間生存する症例もある.このように同じ癌といってもその悪性度にはかなり幅があるわけであるが,癌の悪性度は何によって規定されるのであろうか.
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