今月の臨床 子宮筋腫—最新情報
診断の有用性と限界
3.子宮鏡
林 保良
1
,
岩田 嘉行
1
1川崎市立川崎病院産婦人科
pp.1269-1271
発行日 1997年12月10日
Published Date 1997/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903104
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子宮筋腫は婦人科外来でよく見かける疾患の一つである.筋腫の発生部位によって粘膜下筋腫,筋層内筋腫,漿膜下筋腫の3種類に分けられるが,症状が強いのは粘膜下筋腫である.しばしば過多月経,不正出血,鉄欠乏性貧血などの症状がみられ,不妊の原因にもなり得るが筋層内筋腫との鑑別診断がなかなか困難なこともある.子宮全摘後の検体を開いて始めて粘膜下筋腫と診断することも少なくない.近年,診断機器の進歩で粘膜下筋腫の診断が容易になるとともに,ある条件の粘膜下筋腫も子宮鏡下に切除(TCR)1,2)できるようになった.開腹手術に比べて侵襲が少なく,しかも症状が改善されるので臨床上,その応用が重要な意味をもつことになった.
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