症例
後腹膜に原発した未分化胚細胞腫の1例
津村 宣彦
1
,
北澤 克彦
1
,
山田 俊
1
,
川口 勲
1
,
関下 芳明
2
,
宗村 忠信
2
,
山口 潤
3
,
藤堂 幸治
4
,
早貸 幸辰
5
1帯広厚生病院産婦人科
2帯広厚生病院外科
3帯広厚生病院病理部
4富良野協会病院産婦人科
5岩見沢市立病院産婦人科
pp.1005-1007
発行日 1997年9月10日
Published Date 1997/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903044
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後腹膜に原発した未分化胚細胞腫の症例を経験したので報告する.患者は34歳,子宮頸癌および子宮筋腫の診断で当科を受診した.CT,MRIで卵巣癌の疑いがあり開腹した.腫瘍は骨盤腔内にあり、外腸骨動静脈および閉鎖神経を巻き込み後腹膜に発育浸潤していた.血管,神経を腫瘍塊とともに摘出し,後日,傍大動脈リンパ節領域に発育増大してきた腫瘍を腹部大動脈および腎とともに可及的に摘出し,人工血管置換術を行った.ワーファリンを使いながら凝固線溶系に注意しつつ,化学療法を施行した.術前高値だったLDH, ALPは術後速やかに正常域に復し,現在,このLDHとALPを腫瘍マーカーとして外来で経過観察をしているが,再発徴候もなく順調に経過している.
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