原著
高速液体クロマトグラフィーによるX染色体性魚鱗癬症の診断
菅原 照夫
1
,
岩城 正範
1
,
藤野 敬史
1
,
藤本 征一郎
1
1北海道大学医学部産婦人科
pp.995-997
発行日 1997年9月10日
Published Date 1997/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903042
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X染色体性魚鱗癬症はステロイドスルファターゼ欠損によつて発症する先天性代謝疾患である.今回筆者らはPCR法と高速液体クロマトグラフィーを組み合わせて,本疾患の患者および保因者の診断に応用した.PCR法は25サイクル,鋳型となるDNAは50 ngを用いてステロイドスルファターゼおよびβ—グロビン遺伝子を増幅した.魚鱗癬症患者ではステロイドスルファターゼDNAは検出しえなかった.患者の母親は正常人に比べDNAは半量であった.PCR-HPLC法により魚鱗癬症患者だけでなく,保因者を診断することが可能となった.
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