今月の臨床 産科における検査法—有用性と再評価
妊娠中期
2.臍帯穿刺で何がわかるか
村上 典正
1
1国立循環器病センター周産期治療科
pp.816-819
発行日 1997年8月10日
Published Date 1997/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902995
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臍帯穿刺は1978年にRodeckらにより胎児鏡を用いて初めて行われ,その後1983年にDaffosらが超音波ガイド下に行って以来,胎児の病態を直接評価できる検査法として広まった.最近では超音波診断装置の解像度がよくなり,手技的にはそれほど困難なものではなくなった.しかし胎児鏡による臍帯穿刺に比べ侵襲度が低くなったとはいえ,超音波ガイド下臍帯穿刺そのものが胎児徐脈ひいては胎児死亡を引き起こす原因となる可能性があるため,その適応については十分な検討が必要である.現在一般に適応とされている胎児異常を表1に挙げた.とくに最近では遺伝子診断の技術が発達し多くの遺伝性疾患が出生前に診断可能となってきており,倫理的な面を含めての適応の検討が必要である.ここでは臍帯穿刺により明らかになってきた胎児の血液所見,臍帯穿刺の適応となる疾患についての再検討,そしてこれからの臍帯穿刺の方向性について述べる.
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