今月の臨床 婦人科外来治療—Dos & Don'ts
内分泌外来
3.無月経
上田 克憲
1
1広島大学医学部附属病院分娩部
pp.168-170
発行日 1997年2月10日
Published Date 1997/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902833
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無月経とは月経がない状態であり,一般的には生理的無月経(初経前,閉経後,妊娠・授乳中などの無月経)と病的無月経(性成熟期における異常な無月経),あるいは原発無月経(満18歳になっても初経のないもの)と続発無月経(これまであった月経が3か月以上停止したもの)に区分される.また,病的無月経は性成熟婦人の5%に起こるとされる.
無月経はそれ自身は診断名ではないので,その原因・病態をつきとめたうえで患者の状況に応じた治療を行うことが重要である.「生理がないので注射して下さい」と言って受診する未婚女性をときに経験するが,このような患者は無月経を訴えて婦人科を受診以来,断続的(時に持続的)にホルモン剤の投与のみを受けていることが多い.このような単に消退出血を起こせばことたれりという対応は,患者にとって時に有害ですらある.
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