今月の臨床 初期治療60分—婦人科救急
救命救急手技
4.胸腔穿刺
東海林 哲郎
1
,
伊藤 靖
1
,
金子 正光
1
1札幌医科大学医学部救急集中治療部
pp.1584-1587
発行日 1996年12月10日
Published Date 1996/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902780
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胸腔内に多量の気体や液体が貯留すると肺の換気が障害され,胸腔内圧が上昇して静脈還流が妨げられ,さらに貯留物が血液であれば出血による循環血液不足が起こり,呼吸・循環不全を呈する.とくに,緊張性気胸では呼吸ごとに胸腔内圧が高まり縦隔,心・大血管を圧迫,さらに静脈還流が障害され,急速に致死的状態を呈する1).胸腔穿刺は胸腔内に貯留した液体の試験的採取をはじめ,胸水の排液,薬剤注入,気胸の脱気など広く行われるが2),本稿ではとくに一刻を争う緊急な病態の救命救急の手技としての胸腔穿刺と胸腔ドレナージに重点をおいて述べる.
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