今月の臨床 乳房—管理のポイント
母乳管理
5.母乳中へ移行する薬剤と実際の投与にあたっての注意点
対馬 ルリ子
1
,
堀口 雅子
2
1東京都立築地産院産婦人科
2虎の門病院産婦人科
pp.906-908
発行日 1996年7月10日
Published Date 1996/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902594
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年,母乳哺育の良さが見直され,可能なかぎり母乳で育てたいと考える女性が増えている.母乳哺育は,栄養,児のアレルギー予防,母児の精神的安定などの利点ばかりでなく,将来の乳癌のリスクを回避するうえでも重要なことがわかっている.
しかし,ほぼ1年にわたる長期間の授乳期に,母親が一切の薬剤と無縁でいられることはまれである.合併症を持つ女性はもちろん,ふだん健康な女性にも薬を必要とする局面は訪れる.「授乳中は一切の薬物を差し控える」あるいは「薬剤を服用するなら授乳を中止する」というのも極端というものだろう.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.