今月の臨床 無排卵—病態と治療をめぐるトピックス
新しい病態を探る
10.Kallmann症候群と遺伝子異常
生山 祥一郎
1
,
名和田 新
1
1九州大学医学部第三内科
pp.1500-1503
発行日 1995年11月10日
Published Date 1995/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902327
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Kallmann症候群は嗅覚脱失ないし低下を伴う低ゴナドトロピン性性腺機能低下症である1).
嗅覚異常と性腺機能低下症の合併は古く1856年,San Juanにより記載されているが,1944年Kallmannらは類宦官症の3家系12症例中9例に嗅覚の脱失を認めることを報告した2).1961年Nowakowskiらは,この類宦官症と嗅覚脱失の合併例をKallmann症候群と命名した.本邦ではすでに1940年,新潟大学解剖学教室のKanaiが嗅球欠損の16例中6例に類宦官症の合併を報告している.ついで1954年,DeMorsierは文献的に嗅球無形成の31剖検例中,性腺所見の記載された14例全例に性腺機能低下症の合併を認め,or—factogenital dysplasiaと呼称した3).
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