Japanese
English
今月の主題 食道癌の発育進展─初期浸潤の病態と診断
序説
食道癌の発育進展─初期浸潤の病態と診断
Introduction
井上 晴洋
1
Haruhiro Inoue
1
1昭和大学横浜市北部病院消化器センター
キーワード:
早期食道癌
,
初期浸潤
,
扁平上皮癌
,
IPCL
,
微小血管
Keyword:
早期食道癌
,
初期浸潤
,
扁平上皮癌
,
IPCL
,
微小血管
pp.1331-1333
発行日 2012年8月25日
Published Date 2012/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113567
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食道癌の発育進展が本号のテーマである.特に“初期浸潤の病態とその診断”に的が絞られた.振り返えると“早期癌は粘膜癌である”という概念が定着してからは,「粘膜癌の内視鏡像とは」が長らく内視鏡診断の大きな話題の1つであった.これも先達のたゆまぬ努力の結果である.今では,深達度別の粘膜癌の診断や臨床上最も重要となる粘膜下層癌の内視鏡所見も熟知するレベルまで到達した1)2).
そこで,取り上げられたのが“初期浸潤の病態とその診断”である.そもそも欧米では,癌と診断するに当たって,その浸潤像をもって癌とするという考え方の病理医が多数であることは周知のとおりである.この観点では,欧米の病理医は癌の定義を最も厳しく(狭く)とらえているとも言える.その意味では,本号のテーマと一致すると言うこともできる.欧米の立場からは,治療が必要な癌は浸潤を呈するものということになり,それはある意味では,“臨床的”な癌を的確にとらえているとも言えよう.
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