私の臨床
不妊症外来における注射の副作用について
宇津宮 隆史
1
,
指山 実千代
,
足達 明予
,
磯崎 美智子
1セント・ルカ産婦人科
pp.1325-1329
発行日 1995年9月10日
Published Date 1995/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902284
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
不妊症診療において多用されるHMG製剤の卵巣過剰刺激症候群などを除くアレルギーなどの直接的な副作用を調べた.対象は外来患者延べ1,747例で,検討したHMG製剤はパーゴグリーン,フェルティノームP,ヒュメゴンなどでHCG製剤についても調べた.その結果,注射時の局所の痛みはすべての製剤の50%以上に認められ,とくにヒュメゴンにその傾向が強かった.また副作用と思われる頭痛,局所の圧痛,発赤などは20%前後,全身倦怠感は7.7%に見られ,その出現日は注射初日が多かったが,中には途中で現れる例も見られ,徐々に全身倦怠感が強くなり,点滴を必要とし,製剤を代えて治った例もあった.そして全体の8.35%に何らかの副作用症状が認められた.これらはその精製行程から考えて製剤中の不純物に対するアレルギーによると考えられ,製剤の純化が待たれると同時に,われわれも日常診療ではこれらの点に注意しておくべきと思われた.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.