今月の臨床 婦人の尿失禁—トラブルへの対処
尿失禁を治療する
12.婦人の尿失禁の治療計画
中田 真木
1
1東京都老人医療センター婦人科
pp.1260-1261
発行日 1995年9月10日
Published Date 1995/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902270
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婦人の尿失禁の取り扱いにおいては,治療に反応する見込みの高い腹圧性尿失禁を能率的に確実に拾い上げる診療システムが望まれている.腹圧性尿失禁は,主に骨盤底の力学的な弱さに起因する症候で,多くの場合根本的な治癒が期待でき,患者の大半でさしたる治療の制約がない.一方,膀胱尿道の機能低下による尿失禁は,一般に治療が難しく,尿失禁を消失させようとすると他臓器への薬剤の副作用や膀胱尿道機能の修飾による上部尿路への悪影響が懸念される症例が多い.
腹圧性尿失禁症例の多くでは,根本的治療は骨盤底の力学的補強であるが,それには大きく分けて外科治療と骨盤底再教育(pelvic floor re-education, PFR)がある.医学的には両者は相互に補いあうもので,2つを併用して治療するのが理想的である.
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