今月の臨床 婦人の尿失禁—トラブルへの対処
尿失禁を診る
5.愁訴に応じた診断と検査
野村 雪光
1
1津軽保健生活協同組合健生病院
pp.1234-1239
発行日 1995年9月10日
Published Date 1995/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902263
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長寿社会を迎えて,生命そのものを脅かす疾患に対する予防・早期発見・治療への取り組みとともに,寿命が延長した期間を健康でかつ快適に人生を楽しむための条件づくりとして,老化に伴う退行性変化に対する取り組みが近年,重視されるようになってきている.産婦人科領域においては,骨粗鬆症,虚血性心疾患,そして尿失禁などである.これらの疾患は,中年から高齢の婦人の生活の質(quality of life)を高める上で不可欠の課題である.と同時に,これら老化に伴う退行性変化によってもたらされる病態は,多くの場合薬物療法または手術療法ですべてが終了するのではなく,患者自身が病態についての正しい理解と治療についての知識を持ち,生活習慣の改善や持続的な訓練が必要である.
このことは,一方においては,医療従事者の側には病態や治療法について患者に正しく伝える教育方法やそのための教材の開発の必要性を迫るものとなっている.
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