今月の臨床 イラスト 小手術
レーザー手術
10.子宮腟部びらん焼灼術・バルトリン腺膿瘍開窓術
滝沢 憲
1
1東京女子医科大学附属第二病院産婦人科
pp.707-710
発行日 1995年6月10日
Published Date 1995/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902147
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炭酸ガス(CO2)レーザー光の光エネルギーは,ほぼ100%が水に吸収されるため,水を必ず含む生体の被照射組織は瞬間的に沸騰し,爆発し組織を破壊する.脱水凝固した組織は燃焼し気化消滅する.二次熱による熱凝固は切削,蒸散時の止血に有用であり,高熱による滅菌,創傷治癒促進作用も期待できる.レーザー光の熱作用を規定する要因は,出力,照射時間およびレーザー光線の焦点から照射面までの距離である.レーザー光線を焦点距離で照射する(focused beam)と照射組織は鋭角に深く切削されるが,照射面を焦点から離すと焼け焦げ径は大きくなり(defocused beam)パワー密度は急速に減衰する.以下に,メディレーザーMIC30(持田製薬(株)製)による子宮腟部びらんとバトルリン腺膿瘍の治療法を述べる.
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