特集 小外科・外来処置マニュアル
Ⅶ.尿路・性器
84.バルトリン腺囊腫
藤井 亮太
1
,
牧野田 知
1
Ryota FUJII
1
1金沢医科大学産科婦人科
pp.262-263
発行日 2004年10月22日
Published Date 2004/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100860
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はじめに
バルトリン腺囊腫は外来診療でしばしば遭遇する外陰疾患のひとつで,通常は片側腟前庭部下方を中心とした軟らかい腫瘤を形成し,診断に迷うことは少ない.バルトリン腺囊腫には慢性の炎症で腺導管の開口部が癒着・閉塞した結果,分泌液が徐々に貯留して生じる囊胞(cyst)と,細菌感染による急性炎症の結果生じる膿瘍(abscess)とがある.膿瘍の起炎菌としてブドウ球菌,大腸菌,嫌気性菌など多種多様な細菌が複合感染を起こしていることが多い1,2).
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