原著
内視鏡的超音波断層法による卵巣癌直腸浸潤診断に関する病理組織学的検討
寺内 文敏
1
,
豊岡 理恵子
1
,
田邊 勝男
1
,
大熊 永子
1
,
天明 麻子
1
,
寺内 博美
1
,
小倉 久男
1
1東邦大学医学部第二産婦人科
pp.657-661
発行日 1995年5月10日
Published Date 1995/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902136
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卵巣癌が直腸に浸潤性転移をきたしていても,術後化学療法の効果が期待できることより,直腸合併切除術を施行する例が増えてきている.しかし,その診断法に関しては直腸粘膜面まで達する浸潤例以外,すなわち直腸壁内に浸潤が留まる例に関しては,正確で鋭敏な診断法は存在しなかった.不必要な合併切除を避けるために,われわれは消化器癌深達度診断に用いられている内視鏡的超音波断層法を経直腸的に施行し,直腸壁外病変である卵巣癌および骨盤内再発卵巣癌の直腸浸潤を診断評価し,診断精度に関して病理組織学的に検討した.卵巣癌および骨盤内再発卵巣癌計15例を対象とした,3例が病理組織学的に直腸浸潤が証明され,内視鏡的超音波断層法の正診率は75%であった.病理組織学的にも診断精度の高さが証明され,卵巣癌直腸浸潤診断に有用であると考える.
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