今月の臨床 難治性合併症を診る—婦人科
月経異常と難治性合併症
1.再生不良性貧血
外山 圭助
1
1東京医科大学内科第一講座
pp.1192-1194
発行日 1994年10月10日
Published Date 1994/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901902
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再生不良性貧血とは,造血が持続的に抑制され,末梢血における汎血球減少と骨髄の低形成を呈する状態であり,骨髄抑制が他の疾患の部分症状であるものは含まれない.再生不良性貧血には発症原因の有無によって,二次性と特発性(先天性と後天性)に分類される.本邦における再生不良性貧血は特発性後天性が85%を占める.特発性再生不良性貧血の病因は現在のところ不明であり,おそらくはいくつかの病因の関与が考えられている.病態としては造血幹細胞あるいは造血前駆細胞の分化増殖に障害を有する状態で,その機序として,造血幹細胞の減少,免疫性機序による造血細胞あるいは造血前駆細胞の抑制,造血微小環境の障害などが現在考えられている1).
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