連載 産科外来超音波診断・5
妊娠中期の超音波スクリーニング—RADIUS studyのそれから
清水 卓
1
Shimizu Takashi
1
1清水産婦人科医院
pp.1173-1176
発行日 1994年9月10日
Published Date 1994/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901899
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RADIUS (Routine Antenatal DiagnosticImaging with Ultrasound)trialは,Ewignianらにより,1993年のN Engl J Medに発表されたルチーン超音波スクリーニングの周産期死亡率,罹病率などに及ぼす影響をrandomized control—led trialにより調べた研究であり1),その後,彼らは妊娠の管理,母体の予後などに関しても,Am JObstet Gynecolに追加発表した2).この一部に関しては,本シリーズの第1回で紹介したが,その後このRADIUS studyは,米国の周産期医(perinatologists),超音波技師らに大きな反響をもたらした.医療費の減少を目的とする米国政府の方針と相まって,米国の医療保険会社の超音波検査に対する支払いが,今後かなり厳しくなるのではとの危惧も出現してきている.
また,一方では,Romeroらを中心に,この研究に対する批判の機運も高まっており3-5),今回は,これを中心に,RADIUS studyを再考してみたい.
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