今月の臨床 胎盤—母児接点としての役割
疾患と胎盤
21.糖尿病
光田 信明
1
,
宿田 孝弘
2
,
中山 雅弘
3
1大阪府立母子保健総合医療センター産科
2大阪府立母子保健総合医療センター母性内科
3大阪府立母子保健総合医療センター検査科
pp.1010-1012
発行日 1994年8月10日
Published Date 1994/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901852
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糖尿病合併妊娠は数多くの合併症妊娠のうちその頻度,周産期予後との関わりの高さから古くから研究されてきた.インスリン治療の導入後周産期死亡,トマトベビーなどの重篤な合併症は飛躍的に減少してきたが,現在においても問題点は残されている.たとえば先天奇形(計画妊娠の不徹底からか?),巨大児,分娩外傷,時には子宮内胎児発育遅延などの問題があり.新生児期のみならずその後の肥満との関連性まで提起されている.その病態の根底にあるのは母体高血糖ではあるが,母児間のブドウ糖移送のみですべては説明できない.そこで本稿では母児間の接点である胎盤を中心に形態的変化と物質移送という機能面からの検討を加える.
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