今月の臨床 ハイリスク妊娠—22週までの管理
婦人科合併症
11.卵巣腫瘍
西村 治夫
1
,
平川 伸夫
1
,
黒松 肇
1
1福岡県立柳川病院産婦人科
pp.856-857
発行日 1994年7月10日
Published Date 1994/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901805
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超音波検査が妊婦検診に広く用いられるようになったことに伴い,妊娠に合併した卵巣腫瘍が数多く発見されるようになった.卵巣腫瘍が発見された場合,胎児への影響を考慮し,X線撮影などの重要な検査は制限を受け,腫瘍マーカーもまた妊娠により大きく修飾されるので,良性・悪性の鑑別は非妊時以上に困難となる.治療は手術が原則であることは非妊時と同様であるが,妊娠の進行に伴って縮小するルテイン嚢胞が存在すること,茎捻転や破裂などの緊急事態や分娩時の障害の可能性などをよく考慮し,手術による妊娠や胎児への影響が最小限となるような手術時期,術式を選択することが母児管理の面から重要となる.
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