産婦人科医療--明日への展開 卵巣がんの治療をめぐる諸問題
卵巣がん治療における放射線療法の役割
加藤 俊
1
,
西村 治夫
1
Toshi Kato
1
,
Haruo Nishimura
1
1久留米大学医学部産科婦人科学教室
pp.495-501
発行日 1983年7月10日
Published Date 1983/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206834
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巨大な腫瘤塊を擁する卵巣癌の治療において,手術療法が主体をなすことはいうまでもない。しかしながら,放射線療法や化学療法の適切な併用が,患者の予後に多大な影響を及ぼすことは周知の事実である。このように,放射線療法が卵巣癌の治療に重要な役割を演じてきたにも拘らず,その適応や照射方法などについて,必ずしも一致した見解が得られていないのが現状である。また,近年強力な化学療法剤の登場により,放射線療法を過去の治療法として葬り去る施設もあり,この点においても再検討が必要ではないかと思われる。
そこで,本稿では従来の治療成績をもとに,今後の卵巣癌治療における放射線療法の役割について言及してみたい。
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