今月の臨床 不妊症はどこまで治せるか
ARTの実際
13.Luteal supportの意義と実際
石川 睦男
1
,
千石 一雄
1
1旭川医科大学産婦人科
pp.166-167
発行日 1994年2月10日
Published Date 1994/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901609
- 有料閲覧
- 文献概要
近年の排卵誘発法ならびに採卵,培養技術の進歩に伴いIVF-ETの受精,分割率は60〜90%と満足すべき成績を挙げている.しかし,着床率はいまだ十分とはいえず,高い受精率が妊娠率に直結しない現状にある.その原因として体外受精胚のviabilityの問題など種々の要因が考えられるが,排卵誘発に伴う黄体機能不全が着床環境に悪影響を及ぼすことも要因の一つに挙げられる.したがって,黄体機能を賦活し胚の着床およびその後の発育に適した子宮内ホルモン環境を維持することにより妊娠率が向上する可能性がある.本稿ではARTにおけるluteal supportの必要性ならびにその実際について概説する.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.