Japanese
English
短報
サイロキシン(T4)が奏効したLate Luteal Phase Dysphoric Disorder(LLPDD)の1例
A Case of Late Luteal Phase Dysphoric Disorder Improved by Thyroxine
土屋 潔
1,2
,
小山 司
1
Kiyoshi TSUCHIYA
1,2
,
Tsukasa KOYAMA
1
1北海道大学医学部精神医学教室
2現,市立室蘭総合病院祝津分院精神神経科
1Department of Psychiatry, Hokkaido University School of Medicine
2Department of Neuropsychiatry, Muroran City General Hospital, Shukuzu Branch Hospital
キーワード:
LLPDD
,
Premenstrual syndrome
,
Thyroxine
Keyword:
LLPDD
,
Premenstrual syndrome
,
Thyroxine
pp.94-96
発行日 1996年1月15日
Published Date 1996/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904028
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黄体後期に出現し月経開始後すみやかに寛解する,精神的ならびに身体的症状を周期的に反復する症候群は,DSM-Ⅲ-R1)でlate luteal phase dysphoric disorder(LLPDD)として定義された。これは従来の月経前緊張症の一群に相当すると考えられる。LLPDDあるいは月経前緊張症の治療には,各種ホルモン剤,ブロモクリプチン,リチウム,アルプラゾラム,クロミプラミンなど種々の薬剤が使われているが,いまだ確立された治療法はないのが現状である6,9)。また,月経前緊張症に対して,甲状腺ホルモンによる治療を行った報告もいくつかあるが3,7),投与量は報告によって様々で,有効性についての一致した見解は得られていない。今回我々は比較的高用量のサイロキシン(T4)が著効したLLPDDの1例を経験したので若干の考察を加え報告する。
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