今月の臨床 頸癌,体癌—診療の現況
診断
12.子宮体癌の大動脈周囲リンパ節転移の術前診断
永野 忠義
1
,
小澤 満
1
Tadayoshi Nagano
1
,
Mitsuru Ozawa
1
1国立大阪病院産婦人科
pp.1428-1429
発行日 1993年12月10日
Published Date 1993/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901541
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体癌の治療において,大動脈周囲リンパ節(PAN)の取扱いはその予後を左右する重要な問題である。Gynecologic Oncology Grooupの報告でも,PAN転移は単独の因子としては予後に影響する最たるものであるとされている1)。よって,このPAN転移の術前診断が可能であれば,その治療方針に影響すること甚大である。これまで,このPAN転移の診断のために,リンパ節造影,CTが用いられてきたが,これらはあくまでも転移を推測する補助診断に過ぎない。
しかしながら,われわれの施行している超音波診断下の腫大PANに対する経皮的針穿刺細胞診(Fine Needle Aspiration Biopsy, FNAB)2)によれば,治療前にPAN転移の確定診断が可能である。
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