今月の臨床 胎児環境をチェックする
胎盤機能からみたIUGR
11.輸液療法
坂井 和裕
1
,
前田 博敬
2
Kazuhiro Sakai
1
,
Hirotaka Maeda
2
1北九州市立医療センター産婦人科
2九州大学医療技術短期大学部
pp.1300-1303
発行日 1993年11月10日
Published Date 1993/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901507
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子宮内発育遅延(Intrauterine growth retarda—tion:IUGR)は,子宮内での胎児の発育・成熟の抑制または異常が認められる児の総称である。本症は多くの因子が複雑に関与して発症するため,発育抑制・成熟障害といった病態像は個々に異なり多彩であるが,その原因のひとつに胎児をとりまく胎児—胎盤—母体の循環・代謝系における恒常性の破綻がある。このような症例に対して子宮内における輸液を中心とした薬物療法の報告がなされているが,その意義についてはいまだ論議されているのが現状である。本稿では,現在までの諸家の報告をもとに,IUGRに対する輸液療法を中心に概説する。
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