カラーグラフ 摘出標本の見方・5
悪性転化を伴う成熟嚢胞性奇形腫
薬師寺 道明
1
,
岩永 成晃
1
,
片岡 明生
1
,
大蔵 尚文
1
,
田中 博志
1
,
西田 敬
1
1久留米大学医学部産婦人科
pp.1271-1273
発行日 1993年11月10日
Published Date 1993/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901496
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成熟嚢胞性奇形腫は日常の診療でしばしば遭遇する良性卵巣腫瘍である.しかし,ときとして成人型の悪性腫瘍がこの腫瘍のなかに発生する.その頻度は成熟嚢胞性奇形腫の約2%といわれ,閉経後女性に発生することが多く,若年者ではまれである.扁平上皮癌が最も多いが,ときに腺癌やカルチノイドなどもみられる.5年生存率は一般に15〜30%とされ,扁平上皮癌のIa期に限れば予後は比較的良好であるが,腺癌や他の組織型では予後はきわめてわるい.
当院における一例を提示する.
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