今月の臨床 外陰の診かた
疾患のポイントと私の治療法
28.外陰癌—化学療法
河野 一郎
1
Ichiro Kohno
1
1川崎医科大学産婦人科
pp.761-763
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901348
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外陰癌の5年生存率は現在50%を少し上回る程度であるが1),その治療方法は手術を中心としたものが多い。1962年梅沢らによってbleomycin(BLM)が発見され,1967年以降臨床的に皮膚癌など扁平上皮癌に対する有効性が認められたこともあってわが国では外陰癌に対してBLMを用いた化学療法がよく試みられてきた。しかしわが国より外陰癌の発生頻度の高い欧米では化学療法は必ずしも一般的ではなく,他の婦人科腫瘍と比べて今日なお確立された治療法とはなっていない。
外陰部の悪性腫瘍には悪性黒色腫やバルトリン腺などに由来する腺癌もあるが外陰癌の発生頻度は全体でも低く,本稿では外陰癌の中で最も多い扁平上皮癌の化学療法について概説する。
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