今月の臨床 外陰の診かた
疾患のポイントと私の治療法
17.Behçet病
村瀬 隆之
1
,
土橋 一慶
1
Takayuki Murase
1
,
Kazuyoshi Dobashi
1
1帝京大学医学部産婦人科
pp.733-735
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901337
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
概念
慢性に経過する原因不明の慢性疾患であるベーチェット(Behçet)病は,口腔粘膜のアフタ性潰瘍,皮膚症状,眼症状,外陰潰瘍の他,関節炎,副睾丸炎,消化器症状,血管症状,精神神経症状など多彩な症状を呈する全身的疾患である。本邦では1955年頃より患者数が増加し,20〜30歳代に発症し男性に多いとされていたが,その後の厚生省の疫学調査によると性別による差は減少する傾向である1)。
本症の病因について免疫遺伝学の立場からHLAの検索がなされ,その結果HLA-B51が本症と関連するとされたが,その頻度は少なく,汚染物質など環境因子やウイルス,細菌感染なども誘因因子ともいわれている。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.