今月の臨床 外陰の診かた
疾患のポイントと私の治療法
12.カンジダ症
舘野 政也
1
Masaya Tateno
1
1富山県立中央病院産婦人科
pp.718-720
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901332
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帯下を主訴とする腟外陰炎の中で腟カンジダおよびトリコモナス症は代表的な疾患としてあげられており,産婦人科外来患者中,施設にもよるが,かなりの割合いを占めるものと思われる。なかでも腟外陰カンジダ症は最近とくに多くなってきている。腟カンジダは掻痒を伴う白色苔状の帯下が特色で鏡検によっても診断はきわめて簡単である。したがって治療面においても特効薬的な腟錠や内服薬が数多く開発され,治療法も最近ではかなり簡単である。しかし,一方においては治療によって自覚症状も消失し,治癒したかにみえてもしばしば再発し,難治性であることもけっして少なくない。また,カンジダは抗生物質による長期の治療後,妊婦,消耗性疾患などいわゆるCom—pormized hostの場合に発生することが多く,このような場合の治療はやっかいな場合も少なくない。なお,カンジダは外陰にのみあることは少なく,一般にはカンジダ腟外陰炎として扱う。
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