原著
閉経後の肥満婦人における脂質代謝の臨床的検討—Dual energy X-ray absorptiometryによる体組成分析を用いて
後山 尚久
1
,
杉本 修
1
Takahisa Ushiroyama
1
,
Osamu Sugimoto
1
1大阪医科大学産科婦人科
pp.657-661
発行日 1993年5月10日
Published Date 1993/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901316
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Dual energy X-ray absorptiometry(DEXA法)による体組成分析により,軟部組織に占める脂肪組織率(%Fat)を測定し,肥満度を判定するとともに,血清脂質値との関係につき,検討した。当院産科婦人科更年期・閉経期外来受診中の閉経婦人117例を対象とした。
Body Mass Index値で25,%Fat値で30を超える例を肥満者として検討したところ,それ以下の数値を呈する例と比べ明らかに血清トリグリセライド値,総コレステロール値が高かった。さらに血清HDL—コレステロール値が肥満者(%Fat 30<)では有意に(P<0.05)低い結果であった。%Fatが30を超える肥満者では,高コレステロール血症が72.2%の高い頻度でみられた。これらから,閉経後にはDEXA法による%Fatの測定から肥満度を判定し,肥満者では高脂血症の頻度が高いため,その血清脂質値に注意を要し,高脂血症の管理を行うことが重要であると思われる。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.