今月の臨床 子宮外妊娠—up to date
子宮外妊娠は増えているか
1.子宮外妊娠の動向
前田 隆義
1
,
杉本 修
1
Takayoshi Maeda
1
,
Osamu Sugimoto
1
1大阪医科大学産婦人科
pp.348-351
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901225
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近年,子宮外妊娠(外妊と略す)の臨床は大きく変遷してきている。この理由としてまず第1に,STD(とくにクラミジア感染症)の蔓延や配偶子操作の登場などにより,外妊の発生頻度が増加傾向にあること。第2に,高感度尿中hCG測定キットの開発や,超音波診断装置(とくに経腟超音波診断装置)・腹腔鏡の発達・改良など診断方法の進歩により,妊娠週数の早い時期に未破裂の状態で正確に診断できるようになってきたこと。第3に,Microsurgeryの発達,Methotrexate(MTXと略),Prostaglandinなど薬物の全身あるいは局所投与法の試行,腹腔鏡下手術の開発などにより,開腹下での卵管切除手術から卵管を温存する保存的でより侵襲の少ない治療法が可能になってきたこと。このような変遷を踏まえて,本稿では外妊の臨床における最近の動向について教室の成績と文献的考察をまじえて述べてみたい。
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