今月の臨床 良性卵巣腫瘍—治療方針
診断
卵巣嚢腫の鑑別
5.超音波
田中 善章
1
Yoshiaki Tanaka
1
1市立吹田市民病院産婦人科
pp.252-254
発行日 1993年3月10日
Published Date 1993/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901199
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良性卵巣腫瘤には真性腫瘍として表層上皮性・間質性腫瘍や胚細胞腫瘍が多くみられるが,その他にいわゆる機能性腫瘤や炎症性腫瘤などもあり,臨床的に高頻度にみられる腫瘍では超音波でその鑑別が可能である。そこで卵巣腫瘍組織分類に準じた順序で,各良性腫瘍の超音波鑑別点について述べる。
超音波診断上鑑別可能と思われる良性腫瘍には組織学的分類上,①表層上皮性・間質性腫瘍;漿液性嚢胞腺腫,粘液性嚢胞腺腫,②性索間質性腫瘍;莢膜細胞腫・線維腫群,③胚細胞腫瘍;皮様嚢胞腫,④類腫瘍病変;子宮内膜症,卵胞嚢胞,黄体嚢胞,多嚢胞性卵巣,単純嚢胞,傍卵巣嚢胞,⑤炎症性病変などがあり,その他として最近超音波診断で注目されている出血性卵巣病変についても言及したい。各腫瘍超音波像のシェーマを図1に示す。
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