今月の臨床 子宮全摘出術—私のコツ
広汎性子宮全摘出術
17.骨盤神経温存法
桑原 慶紀
1
Yoshinori Kuwabara
1
1順天堂大学医学部産婦人科
pp.186-187
発行日 1993年2月10日
Published Date 1993/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901185
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広汎性子宮全摘出術の術後排尿障害は程度の差はあれ,ほとんどすべての症例で認められ,大手術を受け,身体的にも精神的にも疲弊した患者さんにとって,再び克服しなければならない難関となっている。これは,広汎性子宮全摘出術では膀胱機能に関与する骨盤自律神経が切断されるためであり,手術の根治性を高めるため止むを得ないものと考えられてきた。しかし,術後のQuality oflifeを確保するためには,手術は必要最小限の範囲で施行されるべきであり,子宮頸癌Ia期あるいはII期であっても一部症例では根治性を損わず骨盤の神経を温存する術式が提唱されてきた1〜4)。
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