今月の臨床 漢方薬—西洋医薬との使い分け
更年期,閉経後期
20.中年婦人の肥満—その特徴と対策
山本 昌弘
1
Masahiro Yamamoto
1
1日本生命済生会附属日生病院
pp.1462-1464
発行日 1992年12月10日
Published Date 1992/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901118
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中年婦人の肥満とその特徴
欧米では中高年婦人の肥満者(肥満度20%以上)が多く,とくに肥満度40%以上の高度肥満者も少なくない。わが国ではそれほどには至っていないが,飽食時代に入ってその点でも欧米化の傾向がみられる。肥満を起こしやすい体質の存在はヒトの場合にはもう一つ明白でなく,むしろ過食傾向とか生活習慣とか言ったライフスタイル,心理傾向,社会経済的な環境条件のほうが肥満を起こす重要な要因になるとされている。
婦人の場合は中年に入ってとくに性ホルモンの変動がある上に1),妊娠分娩をすませたあとエネルギー需要が減少したのに多く食べる習慣のみ残ってしまう場合や,育児・家庭・職業などのこまごましたストレスの多さから過食あるいはまとめて食する傾向に陥る場合が少なくない。その上家庭にいる場合はどうしても運動も不足勝ちになる。
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