今月の臨床 排卵—誘発と抑制の実際
抑制法の実際—経口避妊薬
25.ピル投与時の注意事項
佐藤 和雄
1
,
大谷 香
1
Kazuo Satoh
1
,
Kaori Ohtani
1
1日本大学医学部産婦人科
pp.1101-1103
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901011
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エストロゲンとゲスターゲンの合剤(いわゆるピル)による排卵抑制法の実地臨床における主たる目的は経口避妊であるが,経口避妊法としてのピルは,わが国では認可されず,従来高用量ピルが代用されてきた。1986(昭和61)年「経口避妊薬の医学的評価に関する研究班報告」により低用量ピルの臨床試験が,わが国でも開始され,早ければ,本年度から実用に供される予定であった。しかし周知のように,AIDS感染症の増加により低用量ピルの実用が見合わされ,現在でもわが国では従来通りの高用量ピルを使用せざるをえず,低用量ピルがその有効性と安全性により避妊法の第1位を占める欧米とは異なる状況にある。そのため長期間のピルの投与においてはその副作用の点から十分な注意を必要とする。本稿ではピル投与時の注意事項としてピルの適応と禁忌を中心に,低用量ピルを含めて述べる。
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