今月の臨床 卵巣がん—疫学から治療まで
診断
8.早期診断は可能か—スクリーニングの効率的方法
菊池 義公
1
Yoshihiro Kikuchi
1
1防衛医科大学校産婦人科
pp.789-793
発行日 1992年7月10日
Published Date 1992/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900920
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卵巣癌は現在わが国では産婦人科領域の中では(乳癌を除くと)2番目に多く,その予後は最も悪い疾患である。その理由として①組織発生が多彩であり,ハイリスクグループを設定しにくいこと,②卵巣臓器の解剖学的位置から直接腹腔内へ浸潤を来しやすいこと,③早期診断が困難であること,などがあげられる。そして最近卵巣癌に対する種々のモノクローナル抗体が作製され臨床診断に応用されるようになった。そこで本稿では血清中の腫瘍マーカーによる効率的な卵巣癌の診断について著者の研究データをもとに解説していくことにする。
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