カラーグラフ 胎盤の生理と病理・4
Potter症候群と羊膜結節
中山 雅弘
1
1大阪府立母子保健総合医療センター病理室
pp.391-393
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900797
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羊水は胎児を守る緩衝剤として働くものであり,妊娠の3週頃より認められる.胎児の尿道は8-9週頃に開孔し妊娠中期には胎児尿が羊水の主成分となる.
羊水過少が遷延すると,胎盤の胎児面及び膜において小結節が見られる.これが羊膜結節(amnion nodosum)である,胎児面に多数の小結節が見られるものとして,この羊膜結節と扁平上皮化生がある.扁平上皮化生は臨床的に全く意味はない.鑑別の要点は,扁平上皮化生は白色調が強いことであり,羊膜結節が胎児面に一様に分布するのに対して,臍帯周囲に集中して見られることである.強くこすると羊膜結節ははがれるが,扁平上皮化生ははがれない.胎児面に石灰沈着様の小結節が1個見られるものは卵黄?の名残である.卵黄?も臨床的な,意義は乏しい.
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